菩薩

女咲かせますの菩薩のレビュー・感想・評価

女咲かせます(1987年製作の映画)
4.4
日本の経済発展を根底から支えたのが石炭産業で、同時に更なる発展の為にと簡単に脚を切られてしまったのも石炭産業であり、そんなかつての炭鉱マン達が昔取った杵柄を最大限に活かし、一年で最も活気付くXmasを狙い、資本主義の最大集積地たる巨大デパートにどデカい横穴を穿っていくと、もうそれだけで大好物の要素満載なのであるが、勿論この作品はゆるゆるケイパー物で主人公は松坂慶子なのであり、彼女が涙ながらに「泥棒だっていいじゃない!人間だもの(言ってない)」と竹の子を箸で摘みながら思いの丈を吐き出す新幹線ホームの例のシーンで、そんな彼女以上にボロボロと爆泣きしてしまう自分がおりました。彼女を逮捕せんとでこっぱち全開で見張る拓ボンにもちゃんとお弁当をあげる松坂慶子の優しさ、と同時に彼女の強かさへと繋がっていくその後の展開はベタかもしれないが、ボタ山の頂上にて完結される役所広司との恋物語にホッと「えぇ話やぁ…」と更に安堵の涙を流す自分もおりました。わちゃわちゃと生命力漲る宴会シーン、全てを薙ぎ払っていく清川虹子の花魁道中、『生きてるうちが〜』の「アイちゃんですよ〜、ご飯食べた〜?」に匹敵する「タケさん、今何時〜?」のパンチライン、いざとなったら警察章の前で脚がすくむ拓ボンを引っ張り自らお縄頂戴する松坂慶子、「茶より、餃子食いてぇ!」からの寄り目切り返し→プリケツ揺らして店出てくとこも最高だ、咲き誇ってる。
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