Heywood Gouldの同名小説を原作者本人が脚本を担当し、Roger Donaldsonが監督したラジー賞二冠の最低映画。
Razzie Award [Winner] (1989)
Worst Picture
Worst Screenplay
さらに…
Razzie Award [Nominee]
Worst Actor
Tom Cruise
Razzie Award [Nominee]
Worst Director
Roger Donaldson
トム・クルーズと監督のロジャー・ドナルドソンもそれぞれ最低賞にノミネートされている。あやうく最低賞四冠もあり得た。
確かに人のこと舐めきった上から目線の態度と、人生を甘く捉えすぎているところが"Cocktails & Dreams"というか…おとぎ話の夢のよう。
バーテンダーという仕事を簡単な職業かのように舐めて描いてるところも支持できない。バーカウンターの中は、そんな甘い場所じゃないよ。
冒頭。
パトカーのサイレンの音。
赤色灯が付き、バスを追う1台の乗用車。
車の中には若者が沢山乗っている。
バスを強引に停める若者たち。
車から降りると、トムクルーズ演じるフラナガンがバスに乗り込む。
ここ全く説明がない。
描写としても頓珍漢。
何がしたかったの?
バスに乗りたかったの?
そのバスでなければいけない理由は?
なぜそんなに急ぐのか?
もっと早くニューヨークに行きたいなら、バスより速い方法がいくらでもありそうだけど…
しかも、あの軍服みたいなの着てるけど何者なの?警察学校?なぜ赤色灯を持ってるの?しかもあの車ならサイレンの音は鳴らないんじゃない?
あとで除隊したという台詞があるから、軍隊から帰ってきたんだけろうけど…
軍隊あがりだとしても、そのバスを停める理由にはならないよね…
もうこのオープニングだけで、最低賞は確実だろう。
この冒頭は正直なくていい。
普通にフラナガンが交通機関でどこかに向かってる画だけで十分だよ。
ニューヨークのパットおじさんの店が外観も、くたびれた内装もカッコいい。はなっからここでいいじゃんと思ってしまった。
しかし、フラナガンはビジネス学校に通う。金、金、金、金のことしか頭にない登場人物に肩入れすることは出来ない。
フラナガンはビジネススクールに通いながら、バーテンダーのアルバイトを始める。
Bryan Brown演じるダグラス・コグランが採用の決定権があるから、オーナーバーテンダーだと思っていたのだが、彼は雇われだったようだ。
この辺も下手くそ。
オーナーバーテンダーだと思うだろ⁉︎その描き方なら…
ダグラス・コグラン
「重要なのはいかに酒を少なくするかだ。酒を少なくすれば店の儲けは多い」
こんなことやってたら、流行るわけない。
ショットバーの定義から逸脱している。
キューバリブレも知らないズブの素人が、いきなり酒を作るのも奇妙だし、いきなりフレアをやり始めるのもさらに奇妙。
できるわけないだろ?!
ダグラス・コグラン
「ビールは朝食だ」
この台詞だけ良かった。
飲み屋で働く男たちは朝からビール飲むの得意だからなぁ。
フラナガン
「2人で店をやろう」
ダグラス・コグラン
「資金がいる」
え?あの店…君の店じゃないの?
雇われなの?と、ここで気付かされる。
うそだろ…オーナー然としてたのに…
それでクラブみたいな大箱で、いきなり2人で働いてんだけど…ここはどこ?なんなの?バイトなの?
ここでボストンシェイカーで振っているフラナガン。全然振れてない…下手くそ。これじゃ不味いに決まってる。
ジャマイカならバーテンダーは1日400ドル稼ぐとか…それはどんな仕組み?チップでってこと?これも何も説明しない。
ジャマイカ篇。
わ
ほんと内容がない。
ただ若い男女のラブラブしたところを永遠に見せられる…
Elisabeth Shueは美しいが…
お店の片付けもしないで、女としけこむフラナガン。その光景を見てしまうElisabeth Shue演じるジョーダン。
浜辺で泣くジョーダン。
朝帰りしたフラナガンは、彼女が住む部屋に行くと、昨夜ニューヨークに帰ったという。
えぇぇぇー!?
フラナガンの働くお店の閉店時間は何時なの?客はすっかりいなかったけど…夜遅いんじゃないの?
それを見た後に、浜辺で泣いたよね?
そこから急に荷物まとめて、空港へ行ったってこと?そんな時間にニューヨーク行きの飛行機あるとは思えませんけど…あるの?どうなの?知らんけど。
どうせ考えてないだろ…そんなこと。
ニューヨークに戻るとジョーダンが働いているというジェリーの店を覗く。
バイトだよね…ジャマイカで豪遊してるようにしか見えんかったけど…
これもどうなんだろう…
実際のところ彼女は超大金持ちの娘ってことが判明するのだが…
この娘ならジャマイカで豪遊してるのも納得なんだけど、すると、今度はあのジェリーという喫茶レストランのようなところで働いてるのが…取ってつけただけにしか見えない。
整合性がない。
都度、都度で都合の良い展開を用意してるだけに過ぎない。
ジョーダンの退勤まで外で待ち伏せしてるフラナガン。ストーカー案件。
なのに普通に家に招き入れるジョーダン。
料理を頭にかけるくらい怒ってたのに?
納得も和解もしてないのに家に入れないだろ?
妊娠したと…おいおい。
出会いからニューヨークまで、どう見積もっても1週間くらいちゃうん?妊娠が判明するまでの期間とは思えない。
こういうところも最低賞に輝いてしまう。
賭けに負けてルイ13世を開けるフラナガン。
フラナガン
「息をさせよう」
ダグ
「50年も息を止めてた。もう死んでる。飲み干そう」
これも良い台詞。
フラナガンとジョーダン。
晴れて結ばれ結婚パーティー。
The Everly Brothers
"When Will I Be Loved"
を、みんなで歌う。
この選曲は良かった。