タツキ

透明人間のタツキのレビュー・感想・評価

透明人間(1992年製作の映画)
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少し前に見直したけど、本当に印象に残っている。

例えば、COVAN「U gotta love me」の"数字のない場所に行きたいと感じている、同時に目に見える価値を欲している"の"数字のない場所"は、この映画のエンディングに映る美しい雪景色だと思ったし、"目に見える価値を欲している"は、この映画が、社会から見えない存在として消えること、そして、愛する人が見えないことを受け入れることで、雪景色に辿り着くことをハッピーエンドとして描いていることを思い出した。

全体はカーペンターの中でも非常に軽いし、笑えるところ満載のマニアックな冒険恋愛映画なんだけど、資本主義からの脱出という思想と重要なロマンを携えている。他者から見えること、目に見えるものを手放すことによって、得られる解放の話であることに泣いた。
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