スギノイチ

娘・妻・母のスギノイチのレビュー・感想・評価

娘・妻・母(1960年製作の映画)
3.7
いちホームドラマとは思えないほどの豪華キャスト。
森雅之と上原謙が揃ったからには凄い痴話が発生するぞ身構えたが、この二人は意外に影が薄かった。
大家族はみな癖が強く、特に杉村春子と小泉博のマザコン母子が不気味。
遊び人設定の宝田明が三益愛子にプレゼントした物体、一瞬とんでもない性具に見えた。
日活映画に慣れると、笠森玲子が東宝俳優たちに囲まれているのが新鮮。

終盤からは鬱々とした小津映画もどきと化して、急激に辛気臭くなってくる。
あの仲代達矢が癒し要因になるぐらいである。
公園で一人涙する孤独な三益愛子にもらい泣きするが、そこに”あの人”が登場。
終盤の展開に「なんだかなあ」と思っていたが、ラストで救われた。
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