すごいよ。流石だ。
自分の家庭は、親戚が集まってお金の話をすることも多かったし、かといって仲が悪いわけでもなく。
還暦祝いのシーンでプレゼントを順に開けていくときの、あの雰囲気。ちょっと気まずい瞬間もあるけど全体として和やかに、振り返ってみれば綺麗な思い出として残っていくあの感じ。そういうことを思い出して胸が熱くなった。
こういう家族が集まる場での会話というか、役割分担みたいなものにリアリティがあって人間が分かっているな……となる。
原節子見るたびに、何か空恐ろしさを感じているんだけど、ひたすら殉死しようとする姿が怖い、というある種不快なんだと思う(原節子は好きです)。かといって信念でやっているわけでもなく、流れに流されるままに、生来の優しさだけで殉死するというか。ちょっと自分でもまとめきれないけど、その不快感を抉り出したのが、母の「母さんのために結婚するのかい?」というセリフだと思う。
最後は宙ぶらりんだったけど、アリだと思わせる演出だった。