マツモトタクシー

鬼の棲む館のマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

鬼の棲む館(1969年製作の映画)
4.0
昨日買ってきたので早速観賞💿



谷崎潤一郎の戯曲「無明と愛染」の映画化
三隅研次 監督作品
新藤兼人 脚本
宮川一夫 撮影
伊福部昭 音楽


南北朝時代
晩秋のある日、戦火を免れた山寺に京から一人の女性楓(高峰秀子)が訪ねてくる
寺には彼女の夫である無明の太郎(勝新太郎)と元白拍子の愛染(新珠三千代)が戦乱の都を離れ古寺で暮らしていた
楓は出奔した夫を探しまわり、ようやく見つけたのだった

愛人との暮らしを目の当たりにする楓だったが追い返されても決して帰らず居着くことになる

春のある日、道に迷った高野の上人(佐藤慶)が一夜の宿を求めて寺を訪ねて来た
上人は愛染と少なからず因縁があったのだ。。





以下ネタバレ



愛人との棲み家に乗り込む妻、奇妙な三角関係
そして僧侶を交えてのうる星やつら的?四つ巴の戦いへ
清貧対煩悩、果たして軍配は?
人間のどす黒い業を感じる作品


三角関係with上人様

先ずは第1ROUND 太郎VS上人様

暴力で迫る太郎に経文で対抗し菩薩の法力で見事勝利し太郎は仏門に下る
それを見ていた愛染は敵討ちとばかりに上人様を誘惑しだす



第2ROUND 愛染VS上人様 

性のエキスパート愛染はあの手この手で上人様を誘惑する
立て!立つんだ!上人様ぁ!
あ、元い😅
立つな!立つんじゃない!上人様ぁ~!
しかし上人様は軍門に下ってしまう。。



第3ROUND 愛染VS太郎

上人様を女体で誘惑した愛染は上人様を嘲けり勝ったと仇を取ったと太郎に宣言する
しかし仏に開眼した太郎は愛染を斬りつけ殺害
そして仏門に入る。。結局、勝ったのは楓か。。
傍観していたがこうなると解っていたのだろうか。。
法会に着替えた太郎は上人様の寺へと向かう
それに付いていく楓ニヤッとしたように見える。。女性は怖いですね😅


最高のスタッフに最高の役者
台詞も凄いワードが度々登場

囲炉裏に薪が無くなり愛染が太郎に薪を持って来るようにねだる
すると太郎は寺の仏像を真っ二つ
薪の代わりにそれをくべる
「これで股ぐらでも炙って待っておれ!」

誘惑に負けた上人様に愛染が吐き捨てるように
「ははは!山の聖が犬になりおったぞ!」
と罵声を浴びせる

しかし愛染は「まどか☆マギカ」のキュゥべえ並に悪いやっちゃなぁ。。😁


実質、妖艶な新珠三千代さんと佐藤慶さんの鬼と仏の使い或いは悪魔と天使の戦いがメインかも😀
男と女のラブゲーム💓😍💓

台詞は古い時代の言葉が多く今、見ると難しく感じ意味が解らない単語も多いかも😅
ただ勝新の眼力は楽しめる作品