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死と処女(おとめ)のsnowwhiteのレビュー・感想・評価

死と処女(おとめ)(1995年製作の映画)
3.5
いやあもうこの映画衝撃でした。公開当時(1995年)シガニー・ウィーバーの映画といえばエイリアンしか知らなくて、そのころの彼女のイメージといえばエール大学出のお金持ちのお嬢様でした。ところがこの映画ではすごいシーンがあります。よくこんな役を引き受けたなあと驚きました。これを観てシガニー・ウィーバーってなんでもやってくれる俳優なんだなあと好きになりました。

映画はワンシチュエーションでずっとシガニー・ウィーバーとベン・キングズレーの掛け合いがずっと続く。正直かなりしんどいです。この二人でなければ成り立たなかったと思います。流石の演技力でした。




(ネタバレあります。)
シガニー・ウィーバー演じる主婦は学生時代反政府運動をしていてあることでトラウマを抱えていてかなり不安定な精神状態。

嵐の夜、車がパンクしてしまった夫は通りがかりの医師の車に乗せて貰って帰宅。家で医師と酒をのみ交わす。

しかし、主人公には医師の声に聞き覚えが。反政府運動のせいで逮捕された彼女は取り調べた医師によりレイプされた過去があったことが段々明らかになる。

果たしてこの医師はあの時のレイプ犯なのか?実はレイプされた時目隠しをされていて犯人の顔を見ていないのだ。分かっているのは犯人の声とその時掛かっていたシューベルトの🎵死と処女という曲のみ。

そこで主人公は医師の車を調べるのだか…。車には🎵死と処女のカセットが。これで主人公はあの時のレイプ犯だと確信するのだが、観ている観客からすると本当に犯人なのか?と常に疑問を持ちながら映画を観ることになる。

医師は帰って行くのだが翌日またやって来る。夫が昇進したからお祝いに来たらしいが怖い。レイプ犯かも知れない人が夫のいない時に来るなんて。

薬で眠らせてレイプ犯を椅子に縛り付けた主人公。主人公の精神が不安定だから主人公もかなり怖い。レイプ犯であることを自白させようとするが医師はアリバイを主張。

観客からすると本当に犯人なのかどうなのか分からないから、もし人違いだったらとか色々心配してしまった。さて結末は如何に?

ジリジリさせられる展開がずっと続くので観ているのに根気がいる。シガニー・ウィーバーじゃなければ途中で投げ出していたかも知れない。過去が明らかになるにつれ最初不自然だと思えた主人公の態度や主人公に対する夫の態度も意味があったと分かる仕組み。良くできた脚本だ。まるで舞台を観ているようだなと思って観ていたが、元々舞台だったと後で知った。


衝撃を受けた問題のあのシーンが初めから脚本にあったのか、それともアドリブだったのか今だに気になっている。変態ロマン・ポランスキー監督なので初めからあったような気もするがシガニーが思いついたとしたらすごい!シガニー・ウィーバー恐るべし。笑
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