超空間コベ

ノストラダムスの大予言の超空間コベのレビュー・感想・評価

ノストラダムスの大予言(1974年製作の映画)
4.0
『日本沈没』に続く、東宝終末路線。
ノストラダムス予言の威を借りた、
環境問題啓発映画。文部省推薦。

当時は結構な社会現象だった大予言。
口裂け女などとは違い、
現実に即した数多くの根拠の提示が
リアリティをもたらしていた。

公害が人間に与える影響を調査する
科学者、丹波哲郎。
時を超えて、識者として人類滅亡を
訴え続けてきた人間なのだ。

世界各地に起こっている奇怪な現象。

▼赤潮による養殖魚の大量死
▼夢の島に大発生した巨大ナメクジ
▼地下鉄に一夜にして大発生した巨大な未知の雑草
▼縮む人間
▼ジェットババァの様にスゥーッと高速で移動する子供
▼脅威的な跳躍力や暗算力を披露する子供
▼鳥を捕食し飲み込む、巨大な食肉植物
▼襲い来る巨大コウモリの群れ
▼血を吸われた者は脳を犯される、巨大ヒル
▼顔がケロイド状の食人族(ていうかもうゾンビ)
▼オゾン層が破壊され超紫外線が降り注ぎ、家も森も人間も燃える
▼大渋滞から大炎上する首都高速の地獄絵図
▼世を儚んだ若者、バイクで集団自殺
▼食料をめぐって大暴動発生

それらの渦中でシャッターを切り続ける
カメラマン、黒沢年雄。
…さらに、丹波の予言が続く。

▼原子力発電所の大爆発
▼核戦争
▼人類滅亡
▼地獄絵巻に描かれた餓鬼の様なミュータントが僅かなエサを奪い合う、荒廃した世紀末世界

…ノストラダムスの予言を絡めての
警告を発するもんだから、当然の様に
キワモノ扱いを受け、失笑を買う丹波。

「もしあなたが今、権力を握った
政治家なら、どうしますか?」
と問われた丹波、ついには
“人類淘汰”という極論をも発する。

「やろうと思えばできる!綺麗事
ばかり並べ立てとる場合じゃない。
人類存続が優先だ!」

ニューギニアで消息不明となっていた
調査団。奥地で発見された彼らは、
腐って死にかけていた。

驚愕に震え、涙しながら、丹波は
彼らを次々と撃ち殺すのだった!☆
「神は地獄を与え賜うた…!」


…さあ、これだけ煽っておいて、
果たしてこの映画は、どの様に
収拾をつけるつもりなのか?

それは…
―――「G メ ン '75」だッ!!☆


これは、虚構の物語である。
(テロップより)
超空間コベ

超空間コベ