カラン

スターマン/愛・宇宙はるかにのカランのレビュー・感想・評価

4.5
1977年に打ち上げられたボイジャー探査機には、ゴールデンレコードと呼ばれるディスクが搭載されていた。地球外生命体に地球を紹介する画像と音声情報が収録されたもの。それに応えたエイリアンに未亡人の女が遭遇する。。。


ラブ、ファンタジーク。光球等の光を発する系のSFXはさして褒められたものではないが、圧倒的なファンタジーによって、とんでもない表出量のエモーションを自由にほとばしらせるのを阻害しない。


☆二段構えの純愛

①交通事故で亡くなってしまった愛する人を8mmの劇中劇で映す。地球に飛来し、ミサイルで追尾され、女の家に逃げ込む流れとクロスカットにする。レーダーや墜落後の炎上と亡くなった旦那さんの胸熱8mmを交互にしながら、重ならないものを重ねて、出逢いを導く。思い出のあの人との再会であるし、異星からの未知との遭遇でもある。

②未亡人の女は亡くなった旦那さんの見た目をしているだけで、中身は旦那さんではないと分かっている。異星人も嘘はつかない。その思い出と未知との半々の存在を愛し、さらに、抑鬱を超えて女は未知の男を未知のものとして愛する。愛・宇宙はるかに。


大規模な炎上や、ヘリコプターを『地獄の黙示録』みたよう取り揃えたり、しかし何よりも素晴らしいのはロケ。アリゾナだかの山を荷台から写し続けるのは、『未知との遭遇』よりもよい。軍隊のキャストは訓練が足りなかったか、いかにもエキストラな感じ。ラストシーンの砂漠に降る雪も、『ブレードランナー2049』みたいにはいかず作り物感がでてたし、迎えにきた宇宙船の青と赤の照明もなんだか売れないカラオケ屋みたいであった。2400万ドルとそこそこ立派な予算を組んでもらったのだけれども。『E.T.』にもってかれたのか、あまり振るわずだった模様。

レンタルDVD。画質は素晴らしい。ドルビーサラウンドは2chだが、うまく逆相を使ったりと頭の真後ろくらいには音が来ていた。

55円宅配GEO、20分の8。
カラン

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