喧嘩の美点は仲直りができること

コヤニスカッツィの喧嘩の美点は仲直りができることのレビュー・感想・評価

コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)
5.0
神の視点的に都市部を映すことで現代の生活、ひいては文明を捉え直そうとしているように感じました。このことから醒めた目で現代を捉えており、価値基準の是非を求められてるようにも思えます。
観ているうちに、自身の生活の空虚さと俗人的な生き方を指摘されているような気になりました。
とても面白い映画でしたが、作品内で指摘された虚無性を自覚しつつも、生きてゆくことは辛いです。虚無主義から楽観主義への橋頭堡を求めたくなりますが、こうした思考もタイトルである『コヤニスカッツィ』(平衡を失った世界)を成り立たたせているのかもしれません。
本作の行った批評と自身の世俗性の間に自己矛盾が残る悲しい映画でした。