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沖縄の民のnickのレビュー・感想・評価

沖縄の民(1956年製作の映画)
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2021/10/05
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僅か 12年前の史実に基づく小説の映画化。 ナレーションで戦況を説明しそうなところを文字だけで済ませているのがいい。 勇ましさも悲壮さも重々しさも重苦しさも声で表現することなく。 「悲惨さ」についてはおそらく全体的に敢えてマイルドな描写に留めたのだろうと感じた。

冒頭の行軍シーンに続き、その軍隊が到着した学校の教室から物語は始まる。
先生が板書を消す… “ツシマ丸” の文字は画面に留めるように少しゆっくりと。

俯瞰で状況を見られる人が誰一人としていない中、戦況は悪化して追い詰められていく住民。

戦争が終わり学校の教室で作文を読む生徒。 その声は離着陸する米軍機の爆音にかき消されていく。 作文の読み上げが聴こえないことを先生も生徒も気にしない。 日常なのだ。

芋掘りが見ていて一番堪えたかもしれない。

東洋経済:「対馬丸の悲劇」を深く知るQ&A
https://toyokeizai.net/articles/amp/132116?display=b
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