スギノイチ

お祭り野郎 魚河岸の兄弟分のスギノイチのレビュー・感想・評価

3.0
ほぼ『トラック野郎』だが、桃次郎よりも二枚目寄り。
相変わらず下ネタだらけで、特に三原葉子と小倉一郎のシーンが馬鹿馬鹿しすぎる。

いかにも鈴木則文作品ということで手堅いバカバカしさと痛快さはあるが、やはり『トラック野郎』に比べて物足りないところはある。
確かに主人公のカツオは良いヤツだが、桃次郎よりは『不良番長』や『帝王シリーズ』の梅宮辰夫に近いプレイボーイで、それは『男はつらいよ』『トラック野郎』の源流が『無法松の一生』であることを考えると痛い設定だろう。
それに、寅さんも桃次郎も毎回のマドンナに全力で惚れていて、その滑稽な姿が笑えたし悲しくもあった。
本作では東てる美がそれに該当するが、どう見ても夏純子との間に盤石な関係性が出来上がっているので、そこに尺を割かれても…という感じ。
何より、『トラック野郎』の最後の爆走による爽快さは捨てがたいものだった。
本作でも松方弘樹のお祭りシーンで代替されているが、他人がお祭りしてるところなんてそんなに面白くないしね。
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