映画大好きザウルスくん

愛と復讐の挽歌の映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

愛と復讐の挽歌(1987年製作の映画)
3.5
2部作後編。
アクションがメイン。

後半である本作が先に公開された異色の2部作な訳ですが、最初にちゃんと前作のあらすじがあるのでこれから観てもまあ問題はなさそう(理解がかなり浅くなるだろうけど)。前作は主人公を1人に絞れないくらい各キャラの絡みが多かったのですが、今回は完全にチョウ・ユンファが主人公でした。チョウ・ユンファ目当ての方はこっちの方が好きだと思います。

また前作が兄弟の絆と対立をメインにした話だったのに対し、今回はヤクザの権力争いと潰し合いがメインでした。日本ヤクザ映画にもよくある「血で血を洗う抗争」が展開されます。そして「中盤まで虐げられてきた者たちが、ラストに多勢に無勢の中で玉砕覚悟の特攻ガンバトルを仕掛けて巨悪を倒す」という香港ノワールのお決まりが炸裂します。

しかし全体的に盛り上がり切れなかった印象。中盤のヤクザ同士の仕掛け合いや裏切り合いが面白かったのですが映像的に安っぽいと言うか、迫力に欠けると言うか。殴った時の効果音とか発砲音とか何となく安っぽい感じでした。実際はこんな感じなのかもしれませんが香港映画特有の野太い効果音が好きなのでちょっと残念。シン・フィオンのシーンとかも「窓ガラスもっと割れるでしょ、てかその距離だと後ろに吹っ飛ぶでしょ…」って感じでツッコミどころが多かったです。

チョウ・ユンファのラストバトルに関してはもっとガンアクションを長く見せて欲しかった。監督は彼の活かし方が分かってない気がする。彼の魅力は殴り合いじゃなくてガンバトルにあるんだよ。何で殴り合いに持って行かせたのかね。破壊力のある特大銃→雑魚を一掃するマシンガン→宿敵とタイマンする2丁拳銃。この流れが欲しかった!まあここまで来るとチョウ・ユンファと言うよりジョン・ウーですが…笑

ハードルを上げ過ぎずに軽く楽しむくらいのスタンスで鑑賞することをオススメします!