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ラッシュアワーのLCのレビュー・感想・評価

ラッシュアワー(1998年製作の映画)
3.5
面白かった。

笑いどころが散りばめられていて、緊張しながらも疲れることなく物語を追える。
なんだかんだ仲を深める2人が微笑ましい。
女の子が強くたくましい子で、とても好き。きっと師匠が優秀。
あらゆる耐性のない私でも、怖かったり痛みを感じたりして画面を見ることが辛くなるようなところがなかったところは最の高である。

「よぉニガー」と挨拶をしている場面で、おしゃべり市警さんが、少なくとも煙もくもくおじいさんとは旧知の中であることがわかる。
その後カンフーおまわりさんが真似して激怒される場面からも、おしゃべり市警さんはあの場にかなり馴染みの深い存在だとわかるのだけど、カンフーおまわりさんの英語知識の深さも垣間見える場面だったように思う。仲の深くない人が使うと侮蔑なんだけど、仲の深い人が使うとそうではなくなる、そういう言葉が存在する。肌の色がそこには関係ない、というところも罠だったかもしれない。

おしゃべり市警さんもカンフーおまわりさんも、お互いに基礎はきちんとある。
片方はなんだかんだで動けるし、もう一方は意思疎通に問題ない言語力がある。
でも、もう一歩足りないところを、お互いが補い合える。凸凹というのともまた少し違った2人組という印象だ。

「拭きなよ、お前血が出てるぜ」に対して「拭きなよ、お前死んでるぜ」と返すところは個人的にビビッときた。おしゃべり市警さんのおしゃべりセンスがわかりやすく光る。
クレジット画面で流れるNG場面の数々も、「カンフーおまわりさんでも練習せんとやっぱ難しいことやってんねんな…」とわかる一方、笑って見れるようにもなっていて、後味の悪さがない。

「 Absolutely nothing 」は、割と今声を大にして歌いたい歌詞かもしれない。戦争の足音が近付いている気がするので。
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