矢吹

風の中の子供の矢吹のレビュー・感想・評価

風の中の子供(1937年製作の映画)
3.9
風の中の。っていいな。
お外で遊んでる感じすごいもんな。
太陽の元の、とか、地球の上の、とかでもお外って感じするよね。
でも全部当たり前っちゃ当たり前なんだよな。
だからすごくいい。
初っ端からダッシュ一番。
ディゾルブで描かれる小さなターザンたちの生活。
最初のセリフが通信簿の5があったかいなかの心理戦、という時点で私は心をデューターミューラーされたのだ。

クソ坊主のこまガキの小僧ゆえの繊細な部分が、乱暴であるという前提を通して、なんだか、めちゃくちゃ明確に見えて、これは、とりかたがうまいと言うことなんだろうなと思った。
やかましいシャバ僧への苛立ちよりも、その切なさを感じつづけたのは、僕は別に子供が好きではないので、尚更、そうなんだろうなと、僕は、ちょっと、思いました。
子供が主人公の映画は大好きなのだ。
それは彼らが傷つく経験をちゃんとするからと言うのもある。その点で、やはり、
子供を通して伝達される大人の会話。
意外と子供にも聞こえている大人の会話。
このchildhoodムービー特有の襖の影の蠢きの開けてはいけない危うさ、大人と子供、お互いの透明のようなその境界線を跨ぐか跨がぬかの瞬間は、何においてもたまらないのだ。

曲技団の非日常、夢、祭、幻感が、もう戻れない子供の感覚とリンクしちゃって、勝手に悲しくなった。と僕は、ちょっと、思いました。
矢吹

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