KOUSAKA

きらきらひかるのKOUSAKAのレビュー・感想・評価

きらきらひかる(1992年製作の映画)
3.6
国立映画アーカイブの企画上映『1990年代日本映画――躍動する個の時代』にて鑑賞。

まだまだ同性愛に対する理解度も少なく、結婚という概念に対する多様性もまだまだ認められていない時代に、かなり攻めた内容の作品を制作していたんだなと思いました。

シュールなセリフのやり取りによって生み出されるポップな可笑しみが、野心的なテーマを見る側に受け入れやすくしてくれているように思います。

笑子と睦月の両親が、コトの真相を知って話し合いをするシーンで、睦月のお母さんが一番理解があって素敵でした。あと皆に反対されても立ち向かう笑子の姿にも胸を打たれました。

笑子は正直めんどくさいキャラやけど、薬師丸ひろ子というキャスティングのおかげで、ピュアなキュートさが感じられました。

同じ企画上映で見た『洗濯機は俺にまかせろ』で、筒井道隆の魅力を再発見したばかりですが、今作の紺役も素晴らしくて、ますます好きになりました。ホントにいい俳優だと思います。あ、もちろん豊川悦司も最高です😊

笑子、睦月、紺 の3人の関係性と感情の揺れ動きが丁寧に紡がれていて、終盤で、笑子が1人で一晩中ひたすら走って、リンゴ食べて、ピアス引きちぎって、アスファルトに倒れ込んで寝てしまうところからラストシーンに至るくだりには、胸を打たれました😭

P.S.
土屋久美子演じるファミレスのウェイトレスと笑子のやり取りはコミカルで楽しかったけど、一番最後のやり取りは、一見コミカルに見せて実は非常に大事なセリフで胸を打つ内容だったにも関わらず、相変わらず国立映画アーカイブの客層は、レベルの低い「早とちり笑い」をここでもぶちかまして、エモいシーンを台無しにしてくれました😣ホントにリテラシー低すぎて、毎回イラッとします。
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