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きらきらひかるのLnのネタバレレビュー・内容・結末

きらきらひかる(1992年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

うーん…
江國香織さんの原作があまりに好きで、もう5〜6回は読み返している。作者の意図が伝わらない、改悪としか言いようがない映画化。

始めの1/3くらいはすごく良かった。原作小説にはないエピソードが多くて、解釈もそんなにブレてなかった。
問題なのは、睦月が激昂し始めてから。睦月は絶対にそんな態度とらない!笑子を無下になんて絶対にしない!どう考えてもトヨエツのキャラと合わないから変えちゃったでしょ!!信じらんない…
紺くんの無邪気さも いい感じに死んでるしな…笑子は良いよ。笑子は。

後は、同性愛への偏見にだけ舵を切って 笑子の精神病に関しては無問題ていう空気にしてしまった事。今の世の中では許されないだろうな。製作した人の感性がうかがえる。(原作では、お互いの親を双方騙していたという事が発覚して、同性愛だけが悪という展開にはならない。笑子の両親が同性愛を許せないとする一方、睦月の両親は、精神病こそ遺伝する病気だからのっぴきならないと睦月を擁護する)

トドメとしては、ラスト10分くらいの訳わからん台詞もない一連の謎のシーン。
薬師丸ひろ子さんの演技力がわかるだけだよ!睦月のキャラ崩壊させてしまったから収拾つかなくなって有耶無耶にしただろ!決着つけろよ!フランス映画みたいに~fin~にしたらお洒落だとでも思ってるんだろうな!

昔はこんな感じの、『監督の感性でテーマも書き換えてやるぜ!原作の根幹?結末?そんなの知ったことか!』みたいな原作クラッシャーの映像化が多かった気はするけど…これはちょっと許せないかな。たしかに、その頃の世相に照らせば革新的な考え方の小説だったとは思うけど、そのままじゃ受け入れられない(売れない)からって作品を捻じ曲げないで欲しい。。監督だけが悪いんじゃなくて、偉い人の圧力で内容変わったのかもしれないけど…それならもういっそ全く別のタイトルとかにして、小説=原案とかにして欲しい。

ショックだったな…最初の方はかなり面白かったのに…やっぱりスポンサーとかが結末を気に入らなくて途中から書き換えちゃったんじゃないかな…
でも、きらきらひかる は今の世の中でこそ活きる作品内容だと思うから、ちゃんと作品を理解していて圧力に屈せず完遂させてくれる監督さんがいれば是非 再映像化して欲しいなぁ。
マジでショックだわ…
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