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訣別の街のbolのレビュー・感想・評価

訣別の街(1996年製作の映画)
3.5
黒と白とその間に灰色がある。
それが我々だ。灰色が難しい。
黒と白ほど単純じゃない。

政界の腐敗に立ち向かう1人の補佐官の話。

銃撃戦の最中、保護観察中の麻薬ディーラーと警察、そして流れ弾が当たった少年の3人が死亡した事件。その事件により、政治家とマフィアの癒着が暴かれていく。

棺の前での熱弁はいただけないけど、
アル・パチーノ演じる市長の演説のシーンはやはり素晴らしい。
こういうのやらせたら右に出る人いないでしょ。内容も素晴らしいんだけど、彼自身のオーラが半端ない。

カリスマ的な言葉が真実を分かった途端薄っぺらく感じる。だけど静かで優しい本音混じりの言葉が、この人は根は良い人なのかもしれない、信じたいという気持ちを芽生えさせる。

サスペンスというよりかはヒューマンドラマだと思います。市長のジョンと右腕のケヴィン。終盤の2人で語り合うシーンは凄い。
ケヴィンが尋問の様にジョンを問いただす所は、ジョンへの尊敬と真実を知ったショックが混じり合った、なんとも複雑な気持ちが伝わってくるし、寂しさと怒り混じりの表情に魅せられる。

ラストの演出はまとまってる感凄い出してたけど雰囲気だけで、結局どうなったんだろ。
この事件の終着点は?黒幕達の処分は?と疑問が残った。

完全に余談だけど、この時期のアル・パチーノの髪型、かっこよすぎるんだよなー...
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