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危険な遊びのLCのレビュー・感想・評価

危険な遊び(1993年製作の映画)
3.5
午後のロードショーにて。

こういうの見て思うのは、もう地上に人間が誕生してかなりの年月経ってる筈だけど、目の前の人にどう向き合うかっていう、総合知の継承は難しいのかなということ。
そもそも、作中の子のような人にどう接するかみたいな知識って、どこかに蓄積されてるんだろうか。その時その時で関わりのある人たちの瞬発力頼みで時間を重ね、この先も変わらないんだろうか。

「死」に関心を寄せる人はいるだろうし、他者の痛みに無関心な人もいるだろうし、理解できないから邪悪だと判断するっていうのもその通りなんだろう。
こういう子どもにどう働きかけて、どのくらいの時間をかけて変化を見守れば、傾向と対策が見えてくるんだろう。
人間社会にその余裕がないとすれば、被害者を減らすことはもう諦められているとも受け取れる。
「育て方」じゃなくて、「子による」ことってたくさんある。例えば、兄にも妹にも「朝起きたら顔を洗う」と教えたとして、毎朝きっちり洗顔するのもテキトーにやったふりするのも、その子による。

本作は恐怖を描いている上で、最後に「もし同じ場面がもう1度再現された場合、母親として同じ選択をするだろうか」と問うこともしている。
冒頭からずっと、心を寄せられる人であると表現されているからこそ、その判断や心情が胸に迫る。同じ場所でこれからも思い続けるのだろうか。
そして同じように、問うその子自身の「もし再度、その時、自分は同じように助けてもらえるだろうか」という心情も胸に迫る。
あの時、自分が選ばれなかった可能性は、無視できないよな、どうしても。
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