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生血を吸う女のdiesixxのレビュー・感想・評価

生血を吸う女(1961年製作の映画)
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黒沢清のホラー映画第一位で知られるゴシックなムードのイタリア恐怖映画。
定期的に血を入れ替えなくては生きられない娘のために、若い女を拐かし、血を抜き取る芸術家の教授、というプロットはおそらく『顔のない眼』を下敷きにしているが、死体を蝋人形に作り替え、機械仕掛けの拷問博覧会にする悪趣味なアイデア、『顔のない眼』のエディット・スコブとは真逆の難病娘エルフィ(シッラ・ガベル)の妖艶な魅力、エルフィに横恋慕しながら教授に協力する医師など、随所に見られるイタホラらしい猥雑さが魅力。全体的にゆるい作りではあるが、物悲しいオルガンのメロディーに乗って、機械仕掛けの蝋人形から骸骨が溶け出してくる美しくも、残酷なラストシーンで、歴史に残る名作となった。
アロービデオのBlu-rayで再見。画質良好。
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