らんら

戦場のメリークリスマスのらんらのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
3.9
音楽が本当に素晴らしくて映画を観終わった後も余韻でずっとサントラを聴いています。

どのキャラクターもとても魅力的でした。
ヨノイのジャックに対する「愛」が非常に複雑で、フィクションにありがちな分かりやすい描き方をしておらず、羨望や憎悪、負の感情をも孕んだ分かりにくすぎる「愛」を描いています。
坂本龍一の演技は上手い訳ではありませんが、逆に無骨な感じに見えてヨノイらしさが出ていたし特に表情が凄く良かったです。ジョンに惹かれていく様子が台詞なしでも表情からよく伝わりました。

そして言わずもがな、ジャックはデヴィッド・ボウイではないと務まらない役で、一目見て惹かれる理由が分かります。
有名なキスシーンは本当に美しくて、映画史に残るワンシーンだと思います

ハラとローレンスの2人も好きです。
ハラって滅茶苦茶な奴に見えるけれど実は意外とまともなんですよね。戦争がなければ、彼は普通に良い人なんだと思います。だからこそ人の善悪の判断を歪ませる戦争は怖い。


痛々しくて、恐ろしくて、そんな中にある愛と美しさがとても素敵な映画。
人物の心情を説明しすぎないのも良かったです。

独特の余韻が残り、また観たくなります。
らんら

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