kuu

陰日向に咲くのkuuのレビュー・感想・評価

陰日向に咲く(2008年製作の映画)
3.0
『陰日向に咲く』
製作年 2008年。上映時間 129分。
劇団ひとりのベストセラー小説を、岡田准一、宮崎あおい、西田敏行ほか豪華キャストで映画化した群像劇。

借金苦からオレオレ詐欺に手を染めたもののカモの老婆に親近感を抱いてしまう青年、若い頃売れない芸人に恋をしていた母の青春時代を辿る娘、25歳の崖っぷちアイドルと、彼女を応援するアキバ系オタク、大嘘つきのカリスマホームレスに憧れるサラリーマン。
年代も境遇もバラバラな彼らの人生が、ある台風の日にひとつに重なり。。。

劇団ひとりのオムニバス小説『陰日向に咲く』に収録されている5つの短編のうち、4つを映画化したモンです。
2時間という短い時間の中で、多くのキャラが様々な場面で登場し、内容も濃くなりすぎてんのは否めない。
その結果、登場人物の紹介が不十分であったり、テンポが速すぎてストーリーについていけなかったり、登場人物に感情移入しにくかったりということが散見された。
しかし、劇団ひとりの原作は悪くなく、涙が出そうになるシーンも多々ありました。
今作品には才能あるキャストが揃っており、岡田准一は巧みな演技を披露してくれたことに大きな驚きを覚えた。
此の辺りから岡田准一の俳優としての道が決まったんかな。
まぁ、まだ、男らしい武士道然とした雰囲気はないが。
また、撮影は善かった。
街の美しいシーンや、魅力的でよくできたスローモーションのシークエンスがあったりと、音楽も感動的で、すべてのドラマチックなシーンに完璧にマッチしていたかな。
今作品は、2008年の日本映画のトップクラスになる可能性を持ってたんやろけど、惜しいなぁ。2時間の映画にしては、内容が多すぎたかな。
3つの短編に絞って、残りの2つの短編でもう1本映画を作るべきやったんちゃうかな。
アキバオタク(アイドルオタク)たちは、本筋や主人公の成長にまったく貢献していないし。
あのエピソードはとても感動的やったが、メインストーリーを明確にするために使われるはずのスクリーンタイムを食いつぶしてしまっているわなぁ。
今作品はそれなりよくできていて楽しめたのですが、もっと多くのことができたはずです。
原作が劇団ひとりであることは、今作品を見る前に知っていたが、別々の短編のシリーズであることは知らなかった。
小説のあらすじを読むと、腑に落ちない(あるいはあまり明確に説明されていない)ことがすべて解決され、ストーリーを十分に理解することができました。
kuu

kuu