SatoEmiko

陽のあたる場所からのSatoEmikoのレビュー・感想・評価

陽のあたる場所から(2003年製作の映画)
3.2
言葉以上の壁。それはほんの些細だけど、至る所に存在する物。理想と現実の間に、文化と文化の間に、個人と個人の間に立ちはばかる大きな壁。
自分にとって、自分の文化にとって正義であるからといって、この壁を無理やり崩すことはできない。

フランス人精神科医コーラと、アイスランドから放浪してきたロラ。ロラの故郷アイスランドの家族や医師とコーラの間に立ちはだかる「病気」への考え方の壁。「病気は治せる、治すべきだ」と信じ、どんな手を使ってでも、はるばるアイスランドにまでやってきてもロラをなおしたかったコーラ。対して、「生きていくのを助けたい」と信じ、ロラを家族の元で暮らさせたい町の医者。

相手のことを、相手の"文化"を思いやる気持ちを、
そしてその難しさを、言葉を発さない女性ロラが教えてくれる映画。

愛しのエロディ・ブシェーズの、最初は熱意のあまり狂気すら感じた表情から
最後、ロラとのシーンで柔らかな表情への変化。やっぱり素敵な女優さん。
SatoEmiko

SatoEmiko