ハレルヤ

セントアンナの奇跡のハレルヤのレビュー・感想・評価

セントアンナの奇跡(2008年製作の映画)
3.8
1983年のニューヨークで郵便局員がいきなり一般客を銃で射殺する事件が発生。前科も無く定年間近の犯人が何故犯行に及んだか。その理由は1944年の第二次世界大戦時、ナチス占領下のイタリアまで遡る壮大なドラマ。

一度レンタルで鑑賞して良い作品だった印象が残っていました。DVDが300円で売られていたので購入して約10年ぶりに再鑑賞。

久しぶり過ぎて内容を所々忘れていたので結構新鮮な気持ちで見れましたね。2つの時代を跨いで、戦争が生んだ悲劇と憎しみ、人種差別など様々な問題について触れた物語。

アメリカ軍の黒人兵士のみで組織されているバッファロー・ソルジャーの4人の隊員と、道中で出会った不思議な少年との交流が本作の軸。実際に発生したセントアンナの大虐殺などの事実を交えながらスパイク・リー監督が壮大なドラマを紡ぎます。

戦闘シーンの緊迫感と迫力はかなりのもの。乾いた銃声がまたリアルに響いて、見ている側もその場にいるような感覚になりました。クライマックスの戦闘も壮絶で、息が詰まりそうになります。

ただ冷静に物語を改めて振り返ると、現代パートはちょっと話が出来すぎ。奇跡と言えば聞こえは良いけど、偶然に頼りすぎな印象がありました。

過去パートも村に入るまでと、入ってからの交流が長すぎてテンポが良くなく、全体的な時間も2時間ちょいに収めれた気がしましたね。

今回の再鑑賞でまた色々感じれたところもありましたが、殺人事件を追う記者役は当時ブレイク直前のジョセフ・ゴードン=レヴィットだった事は何気に結構驚いたところでした。笑

ラストは「ショーシャンクの空に」のような美しい締め方(意識した?)で、余韻はしっかりと感じれるもの。見ようと思う方は当時のイタリアにおける時代背景を調べた上で鑑賞した方がより理解が深まると思います。
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