がちゃん

歴史は夜作られるのがちゃんのレビュー・感想・評価

歴史は夜作られる(1937年製作の映画)
4.0
この作品を観てしまうと、あの歴史的ヒット大作『タイタニック』がこれをパクって(あ、参考にして)参考にしているのかがよくわかる。

海運王の夫の束縛に耐えきれなくなったアイリーン(ジーン・アーサー)の離婚訴訟が認められてしまったために、嫉妬に狂う夫は妻の不貞を画策して、離婚訴訟を無効にしようとする。
そんなピンチをレストランの給仕長のポール(シャルル・ボワイエ)が救い、二人は恋に落ちる。

その一件が殺人事件に発展してしまい、夫とアイリーンはニューヨークへ。後を追いポールもニューヨークへと赴き二人は再会。

ポールは殺人事件の証人となるために、
アイリーンとともに『プリンセス・アイリーン号』に乗船し、パリへと戻ろうとするのだが、海運王の夫がこの船に対して無茶な航行を命じたことから、船は氷山に激突してしまう・・・

『タイタニック』では、二等船室でケイト・ウィンスレットが靴を脱いで踊りまくりましたが、この作品ではジーン・アーサーがハイヒールを脱ぎ捨てタンゴを踊ります。

愛し合う二人の身分が違う設定も酷似していますね。
『タイタニック』で沈みかけた船の上で最後まで演奏を続けた楽団の感動的なエピソードが盛り込まれえますが、本作でも老人たちが最後の祈りの歌を歌います。

ポールの友人の料理長シーザーのコメディリリーフが楽しい。
ロブスター料理にシーザーサラダ、21年もののピンクシャンパンが定番なんです。

そして、やっぱり見ものは氷山の激突シーンです。
『タイタニック』のようなCGがない代わりに、こちらは特殊技術で迫力を盛り上げます。

たちこめる霧の中、船の中に氷の塊が次々と流入してきます。
逃げ惑う乗客、船員たち。

船内はパニックとなり、船員たちは女性、子供から先に救命ボートに乗せようとしますが、アイリーンは船室で気を失っているんです。
必死にポールは助けに行きます。

先述したタンゴのシーンなどはとてもロマンティックで、シャルル・ボワイエの給仕の姿もカッコいいです。

80年ほど昔の映画ですが、全然古さを感じませんし、稀代のヒットメーカージェームス・キャメロンがパクって、いや参考にしているのは間違いないと思います。

あ、私『タイタニック』も好きですから、誤解しないでくださいね。

おススメです!

がちゃん

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