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怒りの河のHKのレビュー・感想・評価

怒りの河(1951年製作の映画)
3.5
ジェームズ・スチュワート主演、アンソニー・マン監督の安定の西部劇です。
このコンビの西部劇は全部で5本、本作は『ウィンチェスター銃’73』に次いで2作目、先日観た『裸の拍車』の前の作品となります。
カラー・スタンダード、画質の劣化がちょっと玉にキズ。

またもや幌馬車の開拓団一行の話で、どうも最近は幌馬車隊が登場する新旧西部劇をいろいろ見てます。(『ミークス・カット・オフ』『カラミティ』『襲われた幌馬車』他)
スチュワート(当時44歳)は幌馬車隊のガイド兼用心棒の役どころですが、人には言えない過去を持ち、自分もいずれ開拓団として牧場を持つ夢を持っています。

ヒロインのジュリー・アダムスがとてもキレイ。
この人『大アマゾンの半魚人』のヒロイン役が有名らしく、観ているはずが覚えてないのでまた観てみたくなりました。
そのヒロインの首筋にいきなりインディアンの矢が突き刺さる序盤のシーンは、え?もう死んじゃうの?とショッキングでしたが意外と軽傷で済んだ様子でとりあえず安心。

初めは敵キャラ(アーサー・ケネディ)の方に惹かれつつも最後はスチュワートへ、というヒロインの心変わりは『裸の拍車』で最初は敵のロバート・ライアン側だったジャネット・リーと似たパターン。

途中でイケメンギャンブラーのロック・ハドソン(当時27歳)が仲間になりますが、このキャラ必要ですかね? 『ウィンチェスター’73』にもチラリと出ているようですが。たぶんこの頃売出中でそれなりに目立つ役が必要だったんでしょう。

幌馬車の積荷を奪おうとする人足の一人にベタなコメディ演技しか見たこと無いハリー・モーガンを発見。ニコリともしないので他人の空似かと思ったら本人でした。

スチュワートにしては珍しく元悪党という過去がわかる終盤で序盤の不可解な行動の理由がハッキリします。
単純な勧善懲悪ではなく、人は変われるのか、やり直せるのかがテーマ。
当時はちょっとしたことでも生死に関わる時代であり、人間にはいろいろなタイプがあるものだとあらためて思わせられる映画でした。
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