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ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣のYU@Kのレビュー・感想・評価

3.5
南の島での陽気な怪獣退治!という予告の雰囲気からは思いもよらぬ後半のシリアス展開とオチに驚愕。南の島なのでビルも自衛隊も出てこないが、巨大怪獣特撮としての安定感は抜群で見応えあり。
改めて製作スタッフをみても、そのメンバーの豪華さに驚く。戦車も軍人も戦闘機も出てこないし、怪獣は藁の小屋を破壊するだけ。しかし、確かな特撮技術が活かされた場面に目が釘付け。キグルミの造形もピカイチ。
本編では3大怪獣が入り乱れる事は無かったものの、怪獣達のバックボーンが明かされつつ人間達が試行錯誤で立ち向かう流れは手に汗握る。怪獣の倒し方が生物学上ロジカルに練られてて見応えがある。
怪獣達の正体は英題のごとくスペースアメーバで、宇宙生命体が地球の生物達を巨大化させ、地球支配のために人間達を滅ぼさんと襲ってくる。倒しては次の怪獣、倒しても更なる怪獣。まるでゲームかのように繰り出される怪獣達。
後半の物悲しく深刻なドラマと結末と、終盤の火山口でのガニメとカメーバの激闘は見応えあり。火山口決戦では、両怪獣の生物的な質感とダイナミックな絡み合いが一見地味ながらも確かな特撮技術で描かれていく。前半のゲゾラの村襲撃もかなり良い絵面だった。
まさかの結末と確かな特撮技術。ユニークな海洋怪獣達の動きが楽しくもあり迫力もある1本。
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