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ストーカーのadeamのレビュー・感想・評価

ストーカー(2002年製作の映画)
2.0
まだフィルムカメラが主流だった時代ならではの設定を使い、写真屋の中年男の孤独と屈折していく願望を描いた物語。
現像した写真を通して常連の一家のプライベートを覗き見ていた男が、まるで自身も一家の一員であるかのような妄想を広げ、やがて妄想だけに収まらなくなっていく展開は正しくストーカーの異常心理を描いているのですが、ロビン・ウィリアムスが醸し出す悪意のない良い人オーラによって、異常性よりも孤独な人間の悲哀が強調されている印象でした。
その点、極端にサイコスリラー化していかない物語は主人公のキャラクターとマッチしていたと思うのですが、肝心のその主人公の内面の苦悩や過去があまり掘り下げられないので、終盤にその想いを吐露されても今ひとつ胸に響きませんでした。
大型スーパーの店内のビジュアルはまるで無菌室のような違和感があり、それがかえって魅力的でした。
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