Omizu

コード・アンノウンのOmizuのレビュー・感想・評価

コード・アンノウン(2000年製作の映画)
3.7
【第53回カンヌ映画祭 エキュメニカル審査員賞】
『白いリボン』などの異才ミヒャエル・ハネケ監督作品。カンヌ映画祭で受賞、ジュリエット・ビノシュが出演しているのに日本では劇場公開されなかった。

見終わっても頭の中が??でいっぱい。なんだこれは。一体何を見せられたんだ…

最初と最後はろう学校の子供の手話。最初はジェスチャーをする女の子の行動を他の子どもたちが当てようとするが当たらない。そして最後、一人立っている子が手話をする。しかし字幕がなく何を言っているのか分からない。

この作品はディスコミュニケーションを描いており、日常に溢れるささいな偏見や感情のすれ違いが生む絶妙な居心地の悪さを描いている。

最後には手話に字幕がつかないことで、理解しようとすることさえも拒絶しているようだ。分断を生む現代社会をハネケは描こうとしているのか。

ハネケ作品はそこまで好きではないが、クオリティの高さは疑いようがない。見終わっても思わず考えてしまう。不思議な作品だった。
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