もんてすQ

グリッター きらめきの向こうにのもんてすQのレビュー・感想・評価

1.1
書き出しが思いつかないほど酷い...

これ、マライアの自伝映画じゃないです
半自伝でもない
マライアが女性歌手の役で主演をしているだけの、完全なフィクションです



ご本人のリアルな自伝とか絶対に嫌がるでしょうね、この人
バリバリ家族と不仲(特にヤク中で娼婦の姉)でカネをタカリに来られるのに失望して絶縁状態ですから...
最初の夫からモラハラDV、再婚相手には浮気される...
本当の来歴の方がよっぽど映画にできる人なのですが



マライアは90年代デビューの歌手ですが、ストーリーは80年代という設定

まず子供時代のシーンが雑過ぎる
場転がジャンジャン早すぎて、冒頭からクソ映画の悪寒
恐ろしい程に説明過多で、邦画でもこんなのはちょっと無いかも

次に成人したマライアがクラブで踊りまくるシーン
80'sギャルの格好をしたマライアは見てられません!デカパン、ヘアスタイル、最悪の仕上がり
バックコーラスで歌うマライアは一人だけ浮きすぎ

で、知り合った彼氏のお陰でアレヨアレヨと大成功!とスターになるまでの苦難が無さすぎる
むしろ恋愛絡みでゴタゴタする
こんなサクセスストーリーある!?

"やっつけ仕事"を感じる映画です



あまりにもバカバカしいので突っ込む気も失せるストーリーでした
そりゃあラジー賞の最低主演女優賞取るわぁ...

クラブのフロアにて、マライアがマイクを向けられて歌うシーン
『ボボボーボ・ボーボボ』に出てくる"首領パッチ"みたいな衣装の男性ダンサー達がいて、そこだけめっちゃ面白かったです

公開時が911テロと重なったことも大コケの要因らしいですが、『本作を上映しているスクリーンには"ビン・ラディン"が潜伏している』というジョークが流行る程に不入りだったそうです



雑記

マライアはデビュー以来、必ずアルバムごとに最低1曲は全米チャート1位を記録してきました
が!この大コケ映画の影響か、デスチャ"Bootylicious"の大ヒットの所為なのか、サントラ先行シングル"Loverboy"が2位止まりに!

マライアの本作出演は、最初の夫が支配していた『ソニーミュージック』と手打ちして『Virgin/EMI(現:ユニバーサル)』に移籍した直後でした
そのせいで主題歌"Loverboy"に本来サンプリングされる予定だったYMOの"FireCracker"を使用できないように元夫が圧力をかけた、という有名な話があります
(このとき"FireCracker"の使用許諾を得たのがジェニファー・ロペスで、これが原因なのか、マライアは何を聞かれても『ジェニファー?誰それ?』と答えるのだそう)
というかデスチャも『コロンビア/ソニーミュージック』だし、元夫がバリバリ妨害しようとしていたのか...?
一方で本作、配給は『ソニー・ピクチャーズ』とソニー繋がりなのが妙に皮肉

本作を期に、大ヒット歌手の座を追われるようになったマライア

...しかし、2005年に記録的な大復活を果たします
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