毀誉褒貶の激しいチャーミングな暴君への挽歌。突き抜けたキャラの面白さで最後まで見せる。痛快で爽快。やっぱ、暴れん坊の年寄りは見ていて楽しいよね。リアルでは絶対に関わりたくないけど。
職務に対する使命感とプロ意識から来る厳しい指導。その裏にある、後進を成長させようというツンデレな愛情。そこが分からない連中には3回生まれ変わっても良さが理解できない作品だと思う。
仕事のできないポンコツ部下を注意すればパワハラだと言われ、女子と目が合っただけでセクハラ扱いされるポイズンな世の中の到来を先取りしたかのよう。
往々にしてこういうイケイケドンドンで馬力のある正論キャラは、リベラルな連中から「民主主義が正常に機能している言い訳」に利用されて排除されてしまうんだけど、もともと知恵も回るし才覚もあるし突破力もあるし根性もあるし、何だかんだマニアックな人気もあるから、必ずどこかで復活してくる。これまた今の情勢を先取りしたのか、単に歴史が繰り返しているだけなのか。
いずれにせよ、ヘタレな愛犬と1つの画面に収まる後ろ姿のラストショットが実に味わい深い。