何千年も生き続けている女吸血鬼ミリアム(カトリーヌ・ドヌーヴ)の行く末を描いた退廃的ホラー映画。
冒頭から深夜のクラブでBauhausのパンク・ロックが流れてミステリアスな雰囲気が伝わってくる。
全編を通してピアノやストリングスを使ったクラシック音楽が印象的に使われている。
映像はカット割の早さが目立つ編集で作品としてテンポの良さが伺える。だから、ホラーとしてのグロテスクさをあまり感じなかった。
カメラワークはカーテン越しや陰影のある撮影が美しく、まるでミュージック・ビデオを見ているようだった。
魅惑的で色気のあるドヌーヴとボウイの共演は珍しいのではないだろうか。ふたりの野心的な演技にしばし見惚れていた。
特にボウイが特殊メイクによって老化していく様は凄みを感じさせる。かすれ声や下半身が衰えていく彼を見ていたら胸が熱くなり涙が出てきた。もっと生きてほしかった。
The Hunger - Original Theatrical Trailer
https://youtu.be/g7DzTgy6_Vk
