いち麦

ケーブル・ガイのいち麦のレビュー・感想・評価

ケーブル・ガイ(1996年製作の映画)
5.0
ストーカーのように付き纏い羽目の外し方が一線を越える変質男のハイ・テンションぶりは、彼の心の奥底にある淋しさの裏返しと分かってくると全く違って見えてくる妙味。気の合っている時の友人思いな助言と、つれなくされた時の意地悪さの幼稚なまでのギャップ。J.キャリーのおふざけ演技がそのまま主人公の根深いキャラクターに嵌っていて引き込まれる。映画ネタがふんだんに飛び出すのも人物背景とマッチしている。
『中世時代』レストランでの決闘や家族でポルノ・パスワード連想ゲームをやる場面は大笑いだが、ケーブルガイ幼少期からの願望を具現化しているようでもあり味もある。マシュー・ブロデリック演じるスティーブンが優しくて気のいい男であるのも実にイイ。笑いを封印してはいるもののJ.ブラックやO.ウィルソンまで出演しているのは嬉しい限り。監督のベン・スティラーもチョロチョロ映像出演までする始末(笑)。再見してお気に入り度がグンと上がった。
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