たけちゃん

荒野の七人のたけちゃんのレビュー・感想・評価

荒野の七人(1960年製作の映画)
4.2
七人の侍を娯楽に徹してリメイクした傑作西部劇


ジョン・スタージェス監督 1960年製作
主演ユル・ブリンナー

もう、何度観たことだろう。
黒澤明監督の「七人の侍」を気に入ったユル・ブリンナーが翻訳権を買取り、ハリウッドで映画化。作品に漂う侍としての精神性は抜き去り、野盗に襲われる農村を守る西部劇として再構築。


監督のジョン・スタージェスはこの作品と、この後、「大脱走」を撮ることで名匠と呼ばれます(笑)
他に、「OK牧場の決闘」や遺作となった「鷲は舞いおりた」も好きだなあ!


オープニングに流れるテーマ曲を聴いただけで、僕のテンションが上がります\(^o^)/
作曲者はエルマーバーンスタイン。
「大脱走」もこの方です。素晴らしい!

メインテーマの後、間髪入れずに登場する野党の群れ。今回、見直したら、「スターウォーズ」で帝国軍が登場する姿と重なったわ(๑•̀ •́)و✧

前半は仲間集め、後半はガンファイト
メンバー一人一人をしっかりと描き分け、キャラ設定もバッチリ。貴方は誰を好きになるかな?
メリハリくっきりで、飽きません!

村人の気持ちも分かります。誰も責められません。だからこそのラストシーン。みんな団結して村を守りました!

やっぱり最高!
これこそが真のMagneficent Seven!





以下、ちょっとネタバレと解説(≧∇≦)b


冒頭でクリス役のユル・ブリンナーとヴィン役のスティーブ・マックイーンの2人が出会うシーンは、大好きですね。ネイティブアメリカンの埋葬を嫌った街の者から霊柩車を墓場まで護衛するんですが、ガンマンとしての最高の自己紹介になってます!俺たちは金だけのために動くのではない、と。


ここから7人を集めにかかるのですが、その流れがとても良い。1人1人のキャラクターをしっかりと描き、この無謀な戦いに参加する動機とその背景も描けている。どんどん集まった仲間を好きになりますよね。そして、遂に7人が揃う\(^o^)/

中盤、村人と食事をするシーンがあるんだけど、自分たちの食事を村の子供たちに分け与える姿に、この集まったガンマンたちが僅かな報酬でどうして命をかけて村を守るのかが透けて見えます!本当にいい男たちだ(T_T)

でも、妻もない、子もない、家もない!とつぶやく男たちが切ない。ガンマンとしての栄光以上に、未来のない自分たちの刹那を理解している!



ハリー役はブラッド・デクスター。どこまでも金目当てで同行するガンマン。最後のシーンで、クリスが嘘をつく。最高の嘘を。泣かせます(T_T)


オライリー役のチャールズ・ブロンソン。ムッキムキでカッコイイですが、農民の貧しさを憂うイケメンでもあります。また、子供に好かれるところもポイント高し!これで悪い奴なわけがない。


ナイフの名手、ブリット役のジェームズ・コバーンも素晴らしい。相手に銃を抜かせずナイフを放つ凄腕の一方で、こちらも子供好きな本当に優しい男(^-^)ラスト、得意のナイフを打ち付けて果てるカッコよさ!


リー役のロバート・ヴォーンは、死の恐怖に怯えるガンマンを演じますが、最後は祈るように死の床につきます(T_T)


これが本当のMagnificent Sevenです!