h

愛を乞うひとのhのレビュー・感想・評価

愛を乞うひと(1998年製作の映画)
4.1
母と娘。母親から毎日ひどい暴力をふるわれて育ち、自らも親になって高校生の娘と一緒に父親の遺骨探しの旅に出る主人公の女性。彼女が母と過ごした時間を回想する形で現在と過去が交差されながら描かれる。
虐待を受け続けた幼少期にたった1回だけ母親から褒められた、髪をすくこと。どんなにひどい目に合わされても母親のことが嫌いになれなかった娘の思いが健気で愛おしい。原田美枝子さん演じる娘が何十年もの時を経て自分の娘とともに母の美容院を訪れ髪を切ってもらう場面で交わされる言葉のない会話と店を出てこれまでの思いが一気に爆発する時の表情、そしてそんな彼女が新たに自分の娘へと紡ぐ物語。とにかく原田さんが素晴らしくて、美しくて、胸が締め付けられると同時に柔らかくて暖かい風を感じるようなラストが心地よかった。
h

h