Ryunosuke

愛を乞うひとのRyunosukeのレビュー・感想・評価

愛を乞うひと(1998年製作の映画)
3.6
今でこそテレビで全国のニュースを知ることが出来る。沖縄で起こった事件を北海道で知ることが出来る。だから近年悪質な犯罪が多いように感じるが、感じるだけで、それこそ昔の方があちこちで育児放棄や幼児虐待は起こってたんじゃないかと思う。だが重要視する大人が少なかったので、虐待の連鎖は今も続いているのだ。

私は親に暴力を振るわれたことはない。
だが不仲な両親を見て育った。
親がケンカする度に、「私が悪いんだ、私が謝ればケンカは収まるかもしれない」と考え泣いていた。小学校高学年にもなるとケンカにも慣れ、逆に笑えば収まるかもしれないと考えるようになった。なので、照恵が笑うようになった心理が理解できて痛かった。
目の前で姉が血出すほど打たれてるのに、感情にフタする弟の姿に時の経過を感じた。

母親が褒めてくれた一言が、宝物だったんだ。ちゃんと娘として愛された気がして、その自分をその一瞬を大事にしたいんだよ。

原田美枝子は『北の国から』でその美しさを知っていたが、『ぼくたちの家族』で普通の主婦にしか見えなくて、それでやっと観た今作品での一人二役。偉そうですみませんが、どんどん好きになります。
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