Lalka

愛を乞うひとのLalkaのレビュー・感想・評価

愛を乞うひと(1998年製作の映画)
3.8
はいは一回で。

扱ってる題材で賛否がわかれそうな作品。要は鑑賞前に前情報で誰しも気づくのだと思うが児童虐待の描写。野村芳太郎か!と思う前半なわけです。

これは対比が利いてることにより余計、凄惨に映るってことでしょう。つまり、原田の二役の違い、中井や國村と原田(豊子)の違い。そして、現代と過去の質感の違い。現代が幸福そうに映れば映るほど怖く見える。

目を背けたくなるのは確かだし、劇映画だからこそ失禁や吐瀉が嫌悪感を煽る。でも、越えたらあとは超克していく姿を追うのみ。話としては母子が相対すること自体示唆があるので想像がつくしありきたりではある。

しかし、現代の室内でカメラ振ってるとことか、チャリのシーンでの花火とか、台湾の電車のとこだとか映像としてけっこう観れる。とりわけ、感情移入をさせてからの感動を誘おうとする雨の日の対面からラストの一面の自然が美しく見える。

女が過去を超克する姿を見るか、単に虐待を見るか。いや見えちゃうか。それだけのことでだいぶ変わりそう。

さて、台中までは高鉄で行きましたが、同国3ばんめの都市です(と言ってもそりゃ少し離れれば田舎なわけだ)。そこでやはり想像する。高鉄のない時代。原作に合わせているかは別として公開当時も高鉄はまだなかった。つまり、台湾の描写はある程度正確なのでしょう。タクシーで台北からの移動かな。ほとんど冒険である。やっぱり台湾は田舎のほうが好きだなあ。
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