娘が幼い頃にジブリアニメはかなり一緒に観た。だがワタシは普段アニメは殆ど観ない。
動かない印刷漫画をパラパラと一枚づつページをめくりながら読む方が性に合う。
"蟲師"も五十嵐大介作品も、つげ義春や忠男作品も、紙に描いてある世界の方が断然引き込まれてしまう。
しかし本作は当時今から20年近く前かな?
海外のアニメーション祭みたいな特集で初見したまま、記憶の深い場所に或る小さな棘の様に刺さって離れなかった。
否、刺さっていたのはもしかすると、アスパラガスだったかも知れないさ。
手作り感満点色!
ハッシシどころかメスカリン・ドライヴ?LSDでもやったまま色付けしたかの配色や展開!なのに紙芝居感溢れて何処かしら切なく艶かしいし。
デジタルではなかった時代、この色使いや感覚は或る意味で魔法の様だ。
未だ何も分からない幼い娘を膝に乗せて、BSで録画したVHSテープが熱くなる位に観返していたのは…
当時30代の私が描いていた絵画に足りない自由さを本作に視てしまったからだったろうか。
作者は己のコンプレックスを、ミキサーにかけて、ステンドグラスにしてしまう…そんな様な脳思考の作家だったと思ったりする。
凄いよ。
俺にとっちゃあ、凄いよ。