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風雲のチャイナのmichiのネタバレレビュー・内容・結末

風雲のチャイナ(1933年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

アジア人に対する偏見と差別に満ちた昔の映画を冷ややかな目で観るのが割と好きで、本作も中国人を見下した白人至上主義的な見方をしている部分も大いにあるものの、意外なのは中国数千年の歴史をひっくり返そうとするおこがましいアメリカ人宣教師、という構図がはっきり描かれていて、しかもミーガンは裏切り者を信じて助けてしまい、裏切られることを見通していたイェン将軍が正しかったというオチ。予想もしない展開だった。33年にこんな話を作ってたんだ…。お金大好きのアメリカ人財務担当もアイロニックなポジションにいた。
キャプラ監督らしい、沁みるやりとりがあり、悲恋の結末には心が痛んだ。しかし!ミーガンが着飾って将軍にすがる最後は、唐突。いつの間に?あのバルコニーで夢を見ていた時から、もっと言えば最初に事故った時からそんな心理描写だったのかもしれないけれど…フィアンセはどうした??これも、横暴と言う割には知的に描かれた将軍の勝利のようだけど、でも、盲目的になって全てを失った将軍への哀れみの気持ちにミーガンが流されてしまったように見えて、変な結末だった。

バーバラ・スタンウィックがかなりかわいい。将軍もやたらかっこいいなと思ったらつり目メイクのスウェーデン人俳優だった。イエローフェイスではないけれど、なかなかやるな。
将軍の桜好きとか、本作もまた日本も中国もごちゃごちゃになってる感がおもしろい。
将軍のお屋敷のセットや小物、衣装がとても美しいです。当時の中国文化がよく分からないので、再現性は不明だけど。マーリーなんて、カラーだったらものすごく煌びやかなんだろうなー。

邦題はよく分からないけど、結末を仄めかすオリジナルの”The Bitter Tea of General Yen”はなんだか泣ける。
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