佐藤克巳

銀座の女の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

銀座の女(1955年製作の映画)
3.5
逞しく生きる銀座の女を活写して見事な、新藤兼人、吉村公三郎コンビの真骨頂が出た風俗映画の佳作。轟夕起子の置屋を中心舞台に乙羽信子、藤間紫等芸者やまかないさんの田中筆子等とお客さんその他が、それぞれ別の事情でめぐり逢い織りなす人間ドラマ。轟を踏み台に作家デヴューを果たした男と、文学に詳しいバーの女給北原三枝は、ドライで計算高い現代的人間だが、それと対称をなす、騙されても火事の災難にもへこたれず健気に生きる女達に敬意を表したい。
佐藤克巳

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