かめの

風の絨毯のかめののレビュー・感想・評価

風の絨毯(2002年製作の映画)
4.4

イランと日本の合作があったなんて!

序盤は母親とのエピソードがさほど作られていないせいもあり、サクラの設定が極端すぎて(喋らないし、笑わなすぎる)乗り切れないところがあった。

母親の工藤由貴が若いこともあって、父親と母親がまだ親、というよりも、仲の良い恋人なところがまだ多分にある感じを残して、序盤あたりに父親とサクラがあまり話さない演出をしてるので、二人の距離感がうまく作られてる。

だから、サクラが父親に馬になって、と甘えるシーンでは、買い付けなどで父親があまり家にいられず、どうわかり合っていけばいいのか分からないのでは?と思わせる戸惑いを両者が見せている。

話変わって、アクバル夫婦は子供が欲しかったのに出来なかった二人なんだろう、と思わせるシーンが多々ある。だから、なおさらサクラが可愛かったんだろうね。

特典映像を観て、やっと、あ、この映画はペルシャ絨毯の話じゃなくて、サクラの小さな恋物語だったのか!と気づいた。むしろ、それを押し出さない、さりげない二人だったからこそ、素敵だった。

特典映像のナレーションには色々考えさせられるけど、本当の気持ちは誰も分からないね。
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