矢吹

スローなブギにしてくれの矢吹のレビュー・感想・評価

スローなブギにしてくれ(1981年製作の映画)
3.8
最強の曲、スローなブギにしてくれ。
この曲が流れるところが間違いなく僕の中のクライマックスであり、そのために見るぜってな感じでしたけど、オープニングにバッチリきたね。
猫のカメラワークから、浅野あつこ。夏。
赤い画面に、ハイウェイ。タイトル。
曲。凄すぎる。ここが良すぎて、ほかが霞むのは仕方ない。そういう映画だし。
ここが120点で、他が8から10を行き来するレベルの話で。

2人の男を翻弄するのかと思ってたけど、ちゃんと2人ともゴミカスで、その上で、猫のように行き来するあつこちゃんだった。

どんどん大人びていく姿、少し痛々しく映る瞬間も乗り越えて、舌ぺろまでの成長譚でもあります。
窓から外を見る、風船を膨らませる、
なんて事のない表情で魅了されるのだな。

ほんで、なんか、映像はもちろんカッコ良い、
ただ、少々話の流れがふんわりしてて、
なんか、小説で読んだら話はもっと面白くて、
映画で見たほうがきっと、よりハードボイルドを感じることができる。
いいとこ取りをしすぎてこの作品がアレになってる感じも実はある。のじゃないかと言う推理。
それにしても、
そんなことどうでもよくなるほど、
そもそもの俳優、スタッフによる、
最後まで持っていくパワーは半端ない。
見逃す気にはさらさらなれない。
もちろんまた、いいところで流してもらえる曲もあって、
再び夏。で、また、お腹が痛むのは、やはり、
誰の子なのか問題に言及したくなるけれど、
そんなものはお構いなしの、
うるせえ、俺の子だ。って話を、語らずして見せつけられるというような部分もありますから。

とるな!
日日是好日、すべて世はこともなし。
山崎努さん、すごい。
最近本当に思うのは、
今までだらっと見てきた山崎努さんを反省したい。
幼稚園児から人生やり直したい。
絶対に有り難く見るから、やり直させてください。
強いジンのせいにさせてください。
矢吹

矢吹