SatoEmiko

美しき冒険旅行のSatoEmikoのレビュー・感想・評価

美しき冒険旅行(1971年製作の映画)
4.2
子どもと大人、自然と文明のコントラストと、その間の曖昧さの美しさが印象的。
突然の父の自殺により、広大なオーストラリアの砂漠をさまようことになった幼い弟と恐らく思春期の姉。
歩みを進めていくたびに文明から大自然へさまよいこんでいき、途中出会ったアボリジニの少年とともに旅をすることに。

子どもから大人へと着実に変わりつつある姉から無自覚に放たれる、この時期特有な曖昧な女性性…大砂漠の中やっと見つけた自然に侵食されつつも、廃屋に残る文明の名残…コントラストの中間が本当にきれい。
言葉に表されないメッセージに溢れたこの映画が、言葉が通じないことによって生まれた誤解で迎える悲しい結末はとても切ない。
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