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たそがれ清兵衛のkazu1961のレビュー・感想・評価

たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)
3.8
「たそがれ清兵衛」
2002/11/02公開 日本作品 2019-047
日本アカデミー賞最優秀作品賞
再鑑賞シリーズ
2003年第26回 日本アカデミー賞最優秀作品賞

第26回日本アカデミー賞(2002年度)では『Shall we ダンス?』に続き、史上2度目の全部門優秀賞受賞を果たし、助演女優賞を除く全ての部門で最優秀賞を獲得した作品ですね。
山田洋次監督が初めて手がけた本格的時代劇、徹底したリアリズムに拘った山田洋次監督は、構想に10年以上、時代考証に1年以上をかけて、家屋や城内の様子、さらには髷に至るまで従来の時代劇とは異なったアプローチを展開、苦心の末それらが見事に結実した作品に仕上がったんですね。
特に夜間のシーンにおいて、当時街灯など存在しないにもかかわらず不自然または不必要な明るさが見受けられる時代劇映画が多い中で、まさにこのような暗さであったであろうと観客を納得させ、映画全体の彫りを深いものにしています。屋内での余吾との決闘シーンにおいても、その屋内の暗さは、本作が映画デビューになる田中泯の迫力と合わさってリアルな立ち回りを演出しているますね。
そして、真田広之。黙々と日々の自分の任務を果たし、精一杯生きている主人公の姿を本当に真田広之は見事に演じています。そして、それを支えているのが、時代考証に基づく各種セット、そして何とも言えず美しい映像です。暗い画面ながら、下級武士の暮らしの実感が本当によく伝わってくる、そんな素晴らしい映像作品です。
時代劇ここにあり、そんな素晴らしい日本作品ですね!!

山田洋次監督が初めて手がけた本格時代劇である。多くの人から愛されながらも、再現の難しさから映画化が敬遠されてきた藤沢周平作品の、しかも写真や文章といった映画化に欠かせない資料がほぼ皆無に近い幕末の庄内地方を舞台にした時代劇ということで、山田曰く「まさに制約だらけの世界」の中での挑戦となった。主演は真田広之と宮沢りえ。第76回本誌日本映画ベスト・テン第1位、日本映画監督賞、日本映画主演男優賞(真田広之)、日本映画主演女優賞(宮沢りえ)、日本映画新人男優賞(田中泯)、日本映画脚本賞受賞ほか国内の数々の賞を独占するほか、2003年アカデミー賞外国映画賞にもノミネートされた。他の受賞は、第53回ベルリン国際映画祭出品、第26回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞(真田広之)、最優秀主演女優賞(宮沢りえ)、最優秀助演男優賞(田中泯)、最優秀脚本賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀編集賞、最優秀録音賞、最優秀美術賞、最優秀音楽賞、新人俳優賞(田中泯)、優秀助演男優賞(小林稔侍)、優秀助演女優賞(岸惠子)受賞。
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