Toineの感想文

シーラ号の謎のToineの感想文のレビュー・感想・評価

シーラ号の謎(1973年製作の映画)
4.5
【70年代のお洒落な人狼ゲーム】
暇を持て余した富裕層の悪趣味な遊びかと思いきや真面目に秘密を暴く謎解き系。
お互いに誰も信用できない系。
からのちょうど映画の半分くらいでどんでん返しかつ番狂わせが起こり後半は物語が二転三転。
やりますな。
めちゃめちゃ好みの展開で面白かったです。

謎にアンソニー・パーキンス氏(「サイコ(1960)」のノーマン・ベイツさん役)が脚本に携わっているのが面白いなと思いました。
多才な方なのですね。
しかも本作にパーキンス氏は出演していないという。
勿体無い。はまり役だと思うのですが…ある人物の役として。

約2時間の尺の中で最初のカットからばりばり伏線を貼っていたり(しかも1つではなく複数)、舞台美術のセンスが抜群で視覚でも頭脳でも楽しめる良作だと思います。
そしてほぼワンシチュ謎解きゲームで物語が進行していくのとか作中にほんの少しだけ出てくるハンドパペットの使い方などがうっすらと「探偵スルース(1972)」みがあってスルースファンとしてはきっと影響を受けて作られたのだろうなと予想し萌えました。

フランスの観光地ではモン・サン=ミシェルが1番好きなのでそちらがゲーム場所のひとつとして挙げられたのが嬉しかったです。
しかしせっかくの島の全貌が映らず。無念。
個人的にそこを1番しっかりと撮ってほしかったので星マイナス0.5です。

ゲーム参加者のトムさんが無駄に落ち着き払ってスカしてて序盤からずっと腹立つww
しかしアリスさん役のラクエル・ウェルチ様の美しさが神々しくて癒やしでした♡♡
頭が弱そうに見せかけてずる賢い悪女のような役どころがまた素敵でした。
ご自身の美で世の中を上手く渡って来ましたって感じで。
そういう美女、凄く好みでございます。