めしいらず

この子の七つのお祝にのめしいらずのレビュー・感想・評価

この子の七つのお祝に(1982年製作の映画)
1.6
1981年、横溝正史ブームの末期に角川書店主催でスタートした横溝正史賞。選考委員に名だたる作家や評論家が並ぶ中に御大自身も名を連ねた鳴り物入りの第一回受賞作の映画化である。監督・脚本には市川崑の盟友たる増村保造。音楽は大野雄二。それに豪華キャスト。どうやら角川が「犬神家の一族」の二匹目のドジョウを狙ったものなのだろうけれど、これが腰が抜けそうなほどつまらない。原作はもとより脚本もまたひどい。説明的なセリフに導かれるままにストーリーが展開していく安っぽさは、まるで詳細なあらすじを見させられているよう。人物設定もペラペラ。昔あった土曜ワイド劇場のつまらない回と同じような所感。タイトルに繋がる振袖を着たおかっぱ少女の日本人形的な視覚イメージは、あからさまに横溝作品へのオマージュなのであってそれ以上の意味は見出せない。中学生の頃にテレビ鑑賞した時もつまらないと思ったものを大人になって観て面白かろう筈もない。見通すのが苦痛だった。
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