エディ

炎の人ゴッホのエディのレビュー・感想・評価

炎の人ゴッホ(1956年製作の映画)
1.8
ゴッホの生涯を忠実に描いた映画。ゴッホの作品に出てくる人物そっくりの人が大勢出演しているし、ゴッホ作品に描かれた風景や室内も忠実に描写している点では見事。
しかし、全く感動しないばかりかかなりイラついた。これは映画や脚本のせいではなく、ゴッホの生き方の問題だ。
ゴッホがどんな人でどんな生涯を送ったかはある程度知っていたが、観れば観るほど不快になった。単なる変人ではなく完全な狂人で、周囲に迷惑を掛けまくり嫌われている。思い込みが激しく自己中心的。思い通りにならないと喚き叫び暴力を振るい、そして勝手に傷ついて自傷する。こんな奴が周囲に居たら、どんな天才でも自分も嫌うだろう。本当に最低の野郎だと思った。
なので、主人公に全く共感が出来ない、もう少し共感できるように描けなかったのだろうか?。映画を通して感動したり共感したりすることがなくただただ不愉快な気分になった。
彼の目線で映画を撮るとか内面や狂っていく理由をもっと丁寧に描けば別の展開になったのかもしれないけど、この映画は弟テオへの手紙を元にして、ゴッホを客観的に描いている。だから、映画でのゴッホは周囲から見える狂人ゴッホとして描写されているので、共感のしようがなかった。
彼の絵はたくさん出てくるし、ゴッホ作品の登場人物そっくりさんも大勢出てくるので、ゴッホの絵が好きな人ならお勧めできるかもしれないけど、映画としては観る価値は無いと思う。
エディ

エディ