Smoky

カラーズ 天使の消えた街のSmokyのレビュー・感想・評価

カラーズ 天使の消えた街(1988年製作の映画)
3.6
この映画が公開されたのが、LA暴動の4年前、N.W.Aが名盤『STRAIGHT OUTTA COMPTON』をリリースした年(本作の主題歌はICE-T!)ということが、本作の先見性を象徴している。ロサンゼルスのサウス・セントラル地区のヤバさを初めて本格的に世界に晒したのが本作だと思う。
 
デニス・ホッパーがどういった経緯で本作を選んだのかは知らないけど、麻薬更生施設から帰還し『ブルーベルベッド』のブッ飛んだ演技で高らかに復活を宣言した次の一手が役者ではなく監督としての本作というのも彼らしい。まるで叛逆の名優の復活(なんと言っても『イージー☆ライダー』の監督&主演なのだ!)を祝うように、当時若かりしホッパーの生写しのような存在だったショーン・ペンや(マドンナの旦那!)、ロバート・デュバル(キルゴア大佐!トム・ヘイゲン!)が主演し、音楽がハービー・ハンコックといった超一流の才能が集まっているのが凄い。
 
現地での撮影、実際のストリートギャングの出演やLAPD特対班メンバーからの助言など徹底してリアリズムを追求した映像が、商業映画として成立させるために挿入したアクションや80’s風味全開なハービー・ハンコックのシンセ音とビミョーに合ってないけど(『マイアミ・バイス』かと思った)、一周まわって緊張感を和らげるという意外な効果を発見した(笑)
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