2020

悪魔を見たの2020のネタバレレビュー・内容・結末

悪魔を見た(2010年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

最近再びイビョンホンブームが自分の中に来ていて、とにかくイビョンホンの作品が見たくてあらすじも読まず、なんとなくで選んだ作品。
怖い系かなと思ったけど、ここまでグロかったとは!!汗


なんか見たことがある顔だなと思ったら、オールドボーイの俳優さん、チェ・ミンシクさんが超絶な殺人鬼として登場していて見ごたえあった。めちゃくちゃ怖かった…。
何気にお肌のケアしている所が怖かった…。
誰のため、何のため?と思ったけど、まぁ殺しのために女性からの第一印象を良くしようとしていたのもあるだろうし、
ナルシストであったり、自己陶酔力の高さみたいなものの表現になっていて、殺人鬼を表現するうまい演出だなぁと感じた。
(オールドボーイも昔みたけど完全に忘れたからもう一度見たいな。)

ただ、あいつが何故あんな殺人鬼になってしまったのかは描かれていなかったので、そこは気になった。
もう、そういう性癖というか、悪魔の要素をもって生まれたという事なのだろうけど…。



これ、こういうタイトルだけど、結局、イビョンホンの方が無差別に色んな人に被害が及ぶ規模感が結果的に犯人より悪魔的でしたね。
絶対バカなキャラクターではないわけで、そういう人が犯人を泳がす事で、全く無関係の人達を巻き込む事になる可能性があるというのは思うはずなのに、それでも泳がしちゃう感じが怖かったし、主人公を応援したい気持ちには一切ならなかった。
あまりにも独りよがりだし、計画性無さすぎるというか。
ダークヒーローというのも違う感じでしょうね。
類は友を呼ぶというか、悪魔が悪魔を目覚めさせたという事なんでしょうかね、、、。

恋人を殺された不幸を背負った結果、報復をしようと仕事を休んで動き出した所まではまだ物語のスタートとしてはよかったんだけどやり方が…。
結果、身内が巻き込まれているけど、そりゃそうなるでしょうねとは思いながら見ちゃいましたよ。案の定!!

まーでも今思えば恋人のためとはいえ、仕事中に電話かけて歌を歌っちゃったりするような男なので、どこか自己中というか、ツメが甘いというか、変わった人ではあった、ということなんでしょうかね?


あと、2時間を超える大作だけど、それでも展開やテンポを優先してか、かなり説明を省いている所がえ?ってなりましたね、個人的には。
連続ドラマだともっと丁寧に描けたり説明は出来たんだろうけど、
まず、恋人のお父さんが元警察官という設定はいいんだけど、犯人を4人にしぼりこむのが早すぎるwww
そしてマジで犯人が含まれているのが有能すぎるwww
まず、この展開の時点で、ああ、、、これはご都合主義の感じでいくぞ感が出ていて嫌でしたね(笑)。
案の定、恋人の指輪も1回ゲームをクリアした人のスピードで見つけますよね(笑)。
せめて、キラッと光るとか、クサくてもそういう事をしないと…とは思った。
時間全くロストせず見つけすぎ。
てか、息子が父親の居場所よく知ってたなというのもあるし。
速攻でアジト見つかるって一体、、、
てかあの殺害現場、何???
超怖すぎるんだけど…。
普通、捨てられた息子だったら父親の居場所なんて知らないのでは…。
多少は情があったという事なんですかね。
そうなるとラストの仕掛けがより一層エグイですね。
よくあんな仕組み考えたな…と。
親や子をスイッチにさせるという…。

あとは、ラストの車でさらうシーンも、刃物持っている相手を運転しながらよく連れ去ったな…という疑問もあるし…。

やりたいことはわかるけど、結構な無茶が起きる作品ではあった。


あと展開的に謎が深まるのが、同じような殺人仲間が出てきた所。
あの展開いる???
あそこはシーン切ればいいような気もする。
主人公VS犯人の構造がブレるというか。
なんか、よくある少年ジャンプとかで、連載を止めたくないから新しい敵を投入した、的な、違和感のあるキャラクターだった。
もっと犯人の過去、それこそああいう殺人鬼になってしまったきっかけを紐解くために出てきた展開なのかな…と思ったら別にそんなこともなく、ただ飯をたらふく食べて…みたいな。
なんそれ!!!!もったいないシーンでしたね。

もっと言えば、途中、犯人を拾ってくれるタクシーも謎だった。
あの二人組は(後部座席の人の顔もヤバかったwww)、本物のタクシー運転手さんをトランクに殺して詰め込んでいた、という事なんだろうと思うけど(タクシーの運転手さんの写真とドライバーの顔が違ったように思うし。)そんな頻繁に殺人鬼がゴロゴロしている町って何???という。
あの町恐ろしすぎるわ!!!!


とまぁ、よーわからんところも多い作品だし、いわゆる胸くそ映画だし、多分もう一回見ようとは思わないけど、こんな条件の悪い作品でもイビョンホンは画が持つなぁ~と改めて。
ストーリーや展開に違和感を感じても、画が持つからラストまで見れちゃった、という事にもなりましたからね。
これに関しては良くも悪くもありますねぇ…という事を感じた作品でした。


余談というか、警察のリーダーみたいな人が、典型的な仕事に没頭する警察官というか、自分の娘から疎まれているシーンがあったけど、ああいうのってあった方があの警官に感情移入できる部分もあるけど、今作の場合は削っても良かったのかなぁ…とは思った。
ルパンでいう銭形警部ほどの出方をしているわけではないけど、そういう愛されるキャラクターに出来そうな気配は出ていて、一つの作品が複数の魅力的なキャラクターのおかげで立体的に見えてくるようになるのはいい事だとは思うんだけど、果たしてそれが作品として本当に伝えたいことを伝えるために必要だったのかどうかは取捨選択が必要になるなと。その意味で中途半端にキャラクターの奥行きを出してたのかなと。

てか、この作品で伝えたかった事はなんなんだろう…。
シンプルにエンタメとしてのサイコスリラーだったといえばそれまでなんだけど。
韓国の社会問題だったり何かを反映していた部分もあったのかな。
韓国映画ってそういうの多いし。
あと、河原で遺体が発見された時にマスコミが超至近距離まできていたけど、ああいうのは韓国の報道のスタイルとして当時も今もあんな感じなのかな…とか、そういう気になる部分もある作品でした。

あと、こういう登場人物が誰も幸せにならないような作品を撮る時、俳優さんはもちろんスタッフさんのモチベーションというか、撮っている時のメンタルの維持の仕方はいつも気になりますね、、、。
自分だったら辛くて途中で辞めたくなりそう。
そういう意味では完成させて凄いなとも思いました。



後で書く。
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