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日本一の色男のmのネタバレレビュー・内容・結末

日本一の色男(1963年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

同時期にクレージー作戦シリーズが始まったせいだろうか、無責任シリーズと比べると谷啓やハナ肇といった、他メンバーのプレゼンスが低下した。実際、クレジット表記からして、本作は明確に植木作品として打ち出されている。

また、「有限実行男」への転換を果たした植木等は、前作までのような狂気が影を潜めた感が否めない。例えば、『ニッポン無責任時代』における無責任男の初登場シーンは、会社のネタ集めに用いられるダークでムーディーなバーだった。しかし、本作は女子校の卒業式に始まることが象徴するように、あの黒を基調とした非東宝的色彩・照明はどこへやら、である。

無論、宮川泰と萩原哲晶による音楽は引き続き素晴らしい。突然ミュージカルになる演出は本作から多用されているわけだが、若大将シリーズを観ていたときは、岩内版に気を取られていたため、古澤憲吾の音楽演出に注目していなかった。ただまぁ、こちらの方が本業だという感じもする。
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